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伊藤 公孝*; 伊藤 早苗*; 神谷 健作; 糟谷 直宏*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 57(7), p.075008_1 - 075008_7, 2015/07
被引用回数:19 パーセンタイル:68.71(Physics, Fluids & Plasmas)分岐理論モデルに基づく孤立径電場構造に関して、トカマク及びヘリカル系プラズマの両者のプラズマ及び幾何学パラメータ依存性を理論的に調べた。その結果、理論的に予想される径電場のオーダーはトカマクのHモードプラズマにおける実験値と良い一致が得られた。一方ヘリカルでは、リップル損失輸送によって径電場のピーク値は低減する一方、その幅は大きく影響を受けないことが分かった。本論文では、Hモードペデスタル部の到達可能な圧力勾配限界値についても論じている。
坂本 宜照; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 鎌田 裕; 藤田 隆明; 福田 武司; 滝塚 知典; 白井 浩; et al.
Nuclear Fusion, 44(8), p.876 - 882, 2004/08
被引用回数:34 パーセンタイル:71.1(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいてイオン熱拡散係数の径電場シアに対する応答を調べ、以下の結果を見いだした。(1)正磁気シアプラズマでは、コア部のイオン熱拡散係数は加熱パワーに対してLモード,弱いITB,強いITBへと変化することを示す。しかしながら負磁気シアプラズマでは、加熱パワー増大に伴うイオン熱拡散係数の上昇は観測されない。(2)正磁気シア及び負磁気シアプラズマの弱いITBにおけるイオン熱拡散係数は径電場シアの増大に伴い緩やかに低減する。弱いITBから強いITBへの変化において実効的な径電場シアの閾値が存在する。(3)負磁気シアプラズマにおける実効的な径電場シアの閾値は正磁気シアプラズマよりも小さい。
居田 克巳*; 藤田 隆明; 福田 武司*; 坂本 宜照; 井手 俊介; 東井 和夫*; 稲垣 滋*; 下妻 隆*; 久保 伸*; 出射 浩*; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(5A), p.A45 - A50, 2004/05
被引用回数:19 パーセンタイル:53.39(Physics, Fluids & Plasmas)LHDプラズマとJT-60Uプラズマでは低密度プラズマにECHの追加熱を行うと、中心電子温度が上昇し電子系の内部輸送障壁が形成され、電子温度勾配が大きくなる。プラズマの主半径を温度勾配のスケール長で割った値(R/LTe)が電子温度勾配モデルから想定される一つの指標として用いられている。密度で規格化したECHのパワーによってこのR/LTeがどのように変化するかを調べた。LHDプラズマでは、あるパワーにてR/LTeが急激に増大し、内部輸送障壁形成に必要なECHパワーのしきい値の存在を示しているのに対し、JT-60Uのプラズマでははっきりしたしきい値が観測されなかった。この違いは輸送障壁形成機構の違いを示していると考えられる。一方、輸送障壁形成時の電子温度分布にも、LHDプラズマとJT-60Uプラズマで差が観測されている。JT-60Uプラズマでは輸送障壁が形成されるにつれて、プラズマの中心部の温度に平坦化が見られるが、LHDプラズマでは平坦化が観測されていない。これは回転変換分布(q分布)の違いが原因と考えられる。
藤田 隆明
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A19 - A35, 2002/05
被引用回数:28 パーセンタイル:63.95(Physics, Fluids & Plasmas)内部及び境界輸送障壁の空間構造についてレビューする。高閉じ込め,高のためには、大きな内部輸送障壁半径,高い境界輸送障壁(ペデスタル)圧力などが望まれ、それらを規定する物理機構についての理解が必要である。ELMのない定常Hモードの境界輸送障壁においては、ELMより高い周波数の揺動が存在し、粒子を排出して定常性を得ている。径電場シアや安全係数分布の制御により内部輸送障壁半径の拡大が得られている。負磁気シア放電でしばしば見られる中心部の分布が平坦となる箱形の輸送障壁が形成される機構については、まだよくわかっていないが、大域的な構造形成と捉えるアプローチが有効と思われる。高自発電流割合における圧力分布と電流分布の定常性に関しては有望な結果を得ているが、さらに長時間の実験が必要である。高三角度配位にて内部輸送障壁によるプラズマ圧力の増大によりペデスタル圧力の向上が得られた。
鈴木 隆博; 杉江 達夫
プラズマ・核融合学会誌, 78(5), p.411 - 416, 2002/05
加熱中性粒子ビーム(NB)を利用した核融合プラズマ計測として代表的なモーショナルシュタルク効果(MSE)による磁場/電流分布計測について解説する。磁化したプラズマ中へ入射されたNB粒子は磁場により電場を感じる。電場の存在下では原子の発光線は偏光面が電場と垂直な偏光,平行な偏光に分岐する。偏光角を測定することで電場の方向がわかり、はNBの入射速度で既知であることから磁場の方向すなわちピッチ角を測定する。平衡計算によりプラズマ電流分布を得ることができる。また、幾何学的に独立な2つのMSEシステムを組み合わせると、プラズマの閉じ込めに重要な役割を担っていると考えられている径電場の計測を行うことが可能である。平衡計算により求めた磁束分布の時間変化から誘導電流を評価することで、非誘導電流分布の計測を行うことも可能である。解説ではITERにおける設計の現状と問題点についても触れる。
Rewoldt, G.*; Hill, K. W.*; Nazikian, R. M.*; Tang, W. M.*; 白井 浩; 坂本 宜照; 岸本 泰明; 井手 俊介; 藤田 隆明
Nuclear Fusion, 42(4), p.403 - 411, 2002/04
被引用回数:9 パーセンタイル:30.39(Physics, Fluids & Plasmas)内部輸送障壁を持つJT-60Uプラズマは、非常に圧力勾配が大きい領域と、それによって分離された2つの比較的圧力分布が平坦な領域を持つことによって特徴づけられる。このプラズマにおいて、回転シアの効果がある場合とない場合についてトロイダルドリフトモードの線形成長率を計算した。内部輸送障壁が十分に成長している場合は、回転の効果を考慮すると、強い圧力勾配によって生じる径電場が局所的にモードの安定化に寄与して異常輸送を軽減させ、強い圧力勾配が維持されるという物理的描像と一致した。回転の効果を考慮しない場合、もしくは回転の効果を考慮していても内部輸送障壁が十分には成長していない場合には、モードの不安定領域は圧力勾配のある領域まで広がった。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 内藤 裕志*
Earth Planets and Space, 53(6), p.565 - 570, 2001/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geosciences, Multidisciplinary)高温プラズマは無衝突状態に近いため、オームの法則に対してプラズマ抵抗よりも、むしろ電子慣性の効果が本質的である。したがって、磁力線の再結合を伴う巨視的な電磁流体力学(MHD)的現象に対して、プラズマの粒子性に起因する運動論的効果が重要な役割を果たすことが考えられる。本研究では、トカマクプラズマで観測される鋸歯状振動における内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論モデルに密度勾配の効果を考慮し、無衝突m=1内部モードのシミュレーションを行った。線形成長率及び内部崩壊過程を変化させないような小さな密度勾配が、非線形的半径方向の電場を生成し、崩壊後の振る舞いを大きく変化させることが明らかとなった。これは、磁力線方向の電子の速い運動を考慮することにより、理論的に説明される。本発表では、これらの数値トカマク実験(NEXT)研究における最新の成果を報告する。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 内藤 裕志*
Earth Planets and Space, 53(6), p.565 - 570, 2001/00
高温プラズマにおいてはプラズマの抵抗が小さいため、磁力線の再結合現象の要因として、電子慣性などのプラズマの粒子性に起因する運動論的な効果が重要な役割を演じ始めている。本研究では、プラズマ中の鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮し、運動論的m=1モードのシミュレーションを行った。その結果、密度勾配効果による径電場の成長が内部崩壊後の非線形的な振る舞いを大きく変えることが示されたが、これは磁力線方向の電子の速い運動を考慮することにより、理論的に説明される。本発表では、運動論的効果を考慮したこれら径電場の自己形成に関する理論とともに、数値トカマク(NEXT)研究における粒子シミュレーションの成果を報告する。
坂本 宜照; 滝塚 知典; 白井 浩; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 井手 俊介; 福田 武司; 小出 芳彦
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.4, p.249 - 252, 2001/00
JT-60U負磁気シアプラズマに形成される内部輸送障壁に対するトロイダル回転の効果を調べ、その能動的制御法を開発するとともに、エネルギー閉じ込め比例則の構築を行った。単一方向のトロイダル運動量入射は内部輸送障壁を減衰させ、その後、自発的に再形成する遷移現象が観測された。一方バランス入射では内部輸送障壁を維持する。この結果を応用し単一放電内でトロイダル運動量の入射方向を変化させて、強力な内部輸送障壁を減衰させた後に再び強めて維持することに成功した。このとき径電場シア分布の変化が重要な役割を担っていることを明らかにした。またエネルギー閉じ込め比例則の構築によって内部輸送障壁を持つ負磁気シアプラズマの蓄積エネルギーは、内部輸送障壁足部位置のポロイダル磁場に強く依存していることを見いだすとともに、内部輸送障壁壁とポロイダルラーモア半径の比にも依存することを明らかにした。
滝塚 知典; 細川 哲成*
Contributions to Plasma Physics, 40(3-4), p.471 - 477, 2000/11
被引用回数:19 パーセンタイル:51.35(Physics, Fluids & Plasmas)スクレイプオフ層(SOL)プラズマとシース形成に対する径電場の効果について、粒子シミュレーションコードPARASOLを用いて研究した。磁気的プレシースに関する従前の理論をシミュレーションによって確認した。ErBドリフトにより、SOLプラズマの流れ様式と密度分布が非対称になる。ダイバータ板に垂直方向の流れが、板の直前で特別に定義される音速より大きくなるという、シース形成の条件を明らかにした。SOLプラズマの非対称は、原理的にこの境界条件がもたらす。ErBドリフトの増加に従い、非対称性は大きくなる。ドリフト速度がある限界を越えると、ErBドリフトが板から流れ出る側のダイバータ領域において、デタッチプラズマが形成される。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; 坂本 宜照; 内藤 磨; 波多江 仰紀; 諫山 明彦; 鎌田 裕; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A109 - A115, 2000/05
被引用回数:28 パーセンタイル:64.36(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シアプラズマでは、密度・温度勾配が非常に大きい内部輸送障壁層(ITB層)において非常に強い径電場シアが形成され、ブラズマ中心領域の閉じ込め性能が改善される。径電場は、プラズマ回転・圧力分布・磁場配位によって決定されるので、本研究ではITB層が形成された後、接線NBIの入射方向(順方向・逆方向)及び入射位置(プラズマ中心部・プラズマ周辺部)を変えてプラズマ回転分布に変化を与え、ITB層及びプラズマ中心部の閉じ込め性能に対する影響を解析した。同じ入射パワーでも、接線NBIによりITB層近傍のプラズマ回転が大きく変化した場合には、ITB層における径電場シアが弱くなり、プラズマ中心領域の閉じ込め性能が劣化することを明らかにした。ただしプラズマ中心領域への加熱パワーの増加により、プラズマ回転分布変化に伴う中心領域の閉じ込め性能劣化を回避できることも明らかにした。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 安積 正史
プラズマ・核融合学会誌, 75(4), p.444 - 451, 1999/04
JT-60Uの内部輸送障壁(ITB)を持つ中心閉じ込め改善プラズマにおける巨視的閉じ込め特性及び局所輸送特性を径電場シア形成の観点から研究した。改善閉じ込めモードの熱拡散係数の基準となる新古典拡散をMatrix Inversion法を用いて再評価した。得られた新古典拡散係数は、従来広く用いられてきたChang-Hintonの評価式の値の約半分になった。JT-60UのITBは、その圧力分布から大きく「パラボラ型ITB」と「箱型ITB」に分類することができる。パラボラ型ITBでは、プラズマ中心領域全体で熱輸送係数は軽減されるが、径電場シアは弱い。一方、箱型ITBでは薄い内部輸送障壁層において非常に強い径電場シアが形成され、熱拡散係数は新古典拡散程度まで減少する。内部輸送障壁層において径電場シアにより生じるEBフローシアの大きさは、微視的不安定性の成長を十分抑制しうる。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; Rewoldt, G.*; Mikkelsen, D. R.*; Budny, R.*; Tang, W. M.*; 岸本 泰明; et al.
Fusion Energy 1998, 2, p.405 - 412, 1999/00
JT-60Uの中心閉じ込め改善プラズマにおける巨視的閉じ込め特性及び局所輸送特性を径電場シア形成の観点から研究した。JT-60の内部輸送障壁(ITB)は、その圧力分布から大きく「パラボラ型ITB」と「箱形ITB」に分類することができる。パラボラ型ITBでは、プラズマ中心領域全体で熱輸送係数は軽減されるが、径電場シアは弱い。一方、箱型ITBでは薄い内部輸送障壁層において非常に強い径電場シアが形成され、熱拡散係数は新古典拡散程度まで減少する。内部輸送障壁層において径電場シアにより生じるEBフローシアの強さは、微視的不安定性の成長を十分抑制しうる。Lモード閉じ込めとHモード閉じ込めが繰り返し起こる高イオンモードプラズマにおいて、熱輸送係数が径電場シアに依存し、強い径電場シアにより熱輸送係数が軽減されることを明らかにした。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; Rewoldt, G.*; Mikkelsen, D. R.*; Budny, R.*; Tang, W. M.*; 岸本 泰明; et al.
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.1713 - 1722, 1999/00
被引用回数:68 パーセンタイル:87.07(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの中心閉じ込め改善プラズマにおける巨視的閉じ込め特性及び局所輸送特性を径電場シア形成の観点から研究した。JT-60Uの内部輸送障壁(ITB)は、その圧力分布から大きく「パラボラ型ITB」と「箱型ITB」に分類することができる。パラボラ型ITBでは、プラズマ中心領域全体で熱拡散係数は減少するが、径電場シアは弱い。一方、箱形ITBでは薄い内部輸送障壁層において非常に強い径電場シアが形成され、熱拡散係数は新古典拡散程度まで減少する。内部輸送障壁層において径電場シアにより生じるEBフローシアの強さは、微視的不安定性の成長を十分抑制しうる。Lモード閉じ込めとHモード閉じ込めが繰り返し起こる高イオンモードプラズマにおいて、熱拡散係数が径電場シアに依存し、強い径電場シアにより熱拡散係数が軽減されることを明らかにした。
松岡 守; 高村 秀一*
Nuclear Fusion, 33(1), p.161 - 163, 1993/00
被引用回数:3 パーセンタイル:22.99(Physics, Fluids & Plasmas)トロイダル磁場のリップルによる高速イオンのドリフト損失を利用して、トカマク周辺プラズマ内に負の径電場を生成する方法を提案する。この方法で必要となるのは、低エネルギーの水素同位体の中性粒子ビームを磁場に垂直に入射するだけである。この手法によれば、次期核融合装置において特にリップルを大きくすることなく、通常の設計で想定される大きさのリップルだけでShaingとCrumeのL-H遷移理論で与えられる閾値を低パワービーム入射で超えることができると見積られる。
三浦 幸俊; 居田 克巳; 伊藤 公孝; 伊藤 早苗*
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 1991 - March 1992, P. 85, 1992/11
JFT-2MのH-モードプラズマにおいて、ポロイダル回転速度を計測し、径電場を求めた。さらにこの径電場の空間構造を解析した。H-モードではセパラトリックスの近く、約1cm以内で、新古典理論から予想される。磁力線方向の粘性が小さくなっている。これはポロイダル回転速度のポロイダルマッハ数が1を超えたためである。一方、L-モードのプラズマでは磁力線方向の粘性が大きく形成されるポロイダル回転ならびに径電場も小さい。粘性の小さい領域をH領域、大きい領域をL領域と考えると、L-モードプラズマでは全領域(空間)にわたってL領域が形成され、Hモードプラズマでは、セパラトリックスにのみH領域、他はL領域が形成されている。